onzmunのブログ

韓国ソウルの日韓通訳・映像制作事務所、Onzmun(オンズムン)。

韓国小説レビュー [闇の弁護士 - 赤い家殺人事件]

[闇の弁護士 - 赤い家殺人事件 / ド・ジンギ]
[어둠의 변호사 - 붉은집 살인사건 / 도진기 (2010)]

 

 

 

韓国の最近の推理小説にはどんなものがあるのかと知人に聞いて知った本。
闇の弁護士シリーズの初巻。
今まであまりじっくり来ることなく、良い印象持てなかった韓国小説の中でも
結構興味深く読めた作品。

 

考えていみると、私が持っている韓国小説の悪いイメージはこういう類の
ジャンル小説ではなく、むしろ純文学系の方に多かった。
名の知れた作家の人気作、でもどうしようもなく下らない駄作がありすぎて
もうこれ以上読みたくなくなってる時に、丁度いい出会いだったかも。

 

だとして、この小説が特に他の純文学より優れた作品だという話ではない。
この作品もそれらと同じような「下らない」要素は持っている。たとえば、
硬い文体、非現実的な口調、長すぎる説明、古臭い状況の描写、等々。でも、
せめて「つまらなく」はない。物足りない面もあるが、悪くない推理小説。

 

(P.S. 2010年代の中半ぐらいに韓国のブログに書いたものを日本語訳しました。)